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2021/09/08
はじめてのヘッジ・ファンド
アフターコロナを見据えた海外旅行と外貨投資

<アフターコロナを見据えた海外旅行と外貨投資>

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)がいつ終息するのか目途が立たない状況が続いているが、こうした時期だからこそ、再び海外へ自由に渡航できるようになる未来を見据えて外貨投資で準備するのも一手ではないだろうか。

新たな変異株が次々と出現して猛威を振るう中、米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、2021年9月7日時点での世界全体の累計感染者数は2億2100万5559人、死者数は457万3243人に達している。

多くの国々では、海外渡航制限や検疫強化などの措置が取られており、観光目的の国際的な移動に厳しい制約が続いている。また世界的にリモートワークとバーチャル会議が広がる中、個人の旅行だけでなく、企業の出張も激減しており、航空・宿泊業界などに大打撃を与えている。

一方で、欧米豪などを中心に一部の国ではワクチン接種が普及したことに伴い、行動規制が徐々に緩和されるなどの動きもみられている。

日本政府観光局(JNTO)が2021年8月18日に発表した統計によると、2021年1-7月の出国日本人数は24万2300人となり、前年同期(301万0691人)に比べて92.0%減少だった。ただ1-3月に大幅減少した後、4月以降は増加に転換している。7月の推計値は4万3200人となり、前年同月(2万0295人)比で112.9%増加と回復傾向を示した。

長引く自粛生活に疲れが溜まった人は、アフターコロナに備え、海外旅行に向けて、今から外貨預金や外貨建て金融商品などへの投資を始め、どの通貨が良いのかを考えてみてはどうだろうか。

将来、ハワイやニューヨークへの旅行を希望するならドル、イタリア、フランスなど欧州ならユーロ、ベトナムのドン、タイのバーツなどアジア通貨、トルコ・リラ、南アフリカ・ランド、ブラジル・レアルなど高金利通貨といった、様々な通貨の選択肢の中から、どれを選好するかは旅行先次第だ。

外貨預金や外貨建て金融商品などには、為替相場の変動、為替手数料、預金保険の対象外などのリスク要因があるものの、一部の銀行など金融機関によっては、外貨のまま使えるサービスがあり、少額でも始められ、資産運用を兼ねた投資にもなる。

<今年に入りドルは主要通貨に対して緩やかな上昇傾向>

日本国内では超低金利が長期間にわたり継続している半面、海外の主要国では金融政策にも変化の兆候が表れている。非伝統的な量的緩和(QE)策から正常化へ向けた回帰の動きだ。

折しも米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和策の段階的な縮小(テーパリング)を議論し始めている中、基軸通貨であるドルの動向に関心が集まっている。こうした状況下で、どの外貨を選ぶかは、世界経済や金融市場の見通しにも左右されるだろう。

複数の主要通貨に対するドルの為替相場を指数化した、ドル指数は、今年に入り緩やかな上昇傾向となっている。同指数は、ドルの総合的な価値を表し、上昇すればドルは他通貨に対して強く、下落すれば弱いことを示す。インベスティング・ドットコムによると、ドル指数先物は終値で2021年8月19日に93.57と2020年11月2日(94.13)以来の高水準を付けた。

2021年9月8日時点(日本時間)でのドル・円相場は1ドル=110円前後で推移している。年初の103円台から比べると円安・ドル高基調が続いている。

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(出所:インベスティング・ドットコムのデータを基にくにうみAI証券が作成)

今後、海外の景気回復を背景に、インフレ高進、金利上昇、資源価格上昇などを見込むのか、逆に海外景気悪化を背景に、デフレ進行、金利低下、資源価格低下などを見込むのかが、通貨を選ぶ上で鍵になるだろう。先進国通貨か、高金利通貨か、資源国・新興国通貨か、選び方が変わってくるはずだ。

たとえ専門家でもFRBの金融政策の行方と金融市場への影響を予測することは難しい。しかし、いずれは訪れるはずのアフターコロナの世界を満喫するためにも、今から怠りないよう旅行の計画と同時に外貨の準備を心掛けてみるのも良い機会かもしれない。

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(出所:外為ドットコム)

参考文献:
210818_monthly.pdf (jnto.go.jp)
米ドル指数 リアルタイムチャート | ドルインデックス リアルタイムチャート (investing.com)
USD JPY | アメリカドル 日本円 相場情報 - Investing.com
政策金利一覧・FX統計データ | 外為どっとコムのFX | 初心者にもわかるFX投資 (gaitame.com)

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